2024年は20年ぶりに新しい紙幣の導入がされたり、新NISAのスタートなど、家計や暮らしに関連した制度改正が目白押しです。
その制度改正の中で、家計や暮らしに関連するものをピックアップして簡単にまとめていきます。
気になるものをチェックしておきましょう。
2024年の家計や暮らしに関連する制度改正(主なもの)
1月1日 | ●新しいNISAの開始 ●相続税・贈与税の制度改正 ●住宅ローン減税を受けられる住宅の条件変更 ●産前産後期間の国民健康保険料(税)の免除の開始 |
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4月1日 | ●不動産(土地・建物)の相続登記の申請義務化 ●建設・運送・医療の時間外労働規制の猶予期間の終了 ●障害者総合支援法改正 ●労働契約の締結・更新のタイミングの労働条件明示事項の追加 |
7月前半 | ●新しい日本銀行券(1万円、5000円、1000円の3券種)の発行開始 |
10月1日 | ●社会保険(厚生年金、健康保険)の被保険者範囲の拡大 |
2024年秋ごろ (12/8までに) | ●マイナンバーカードと健康保険証が一体化され、健康保険証が廃止 |
12月1日 | ●企業型DC、iDeCoの拠出限度額の公平化を目指した変更 |
2024年1月
①新NISAの開始
NISAでは、個人投資家を支援するため、投資で得られる利益(値上がり益や配当金・分配金など)に対する税金(20.315%)が非課税になっています。
2024年からスタートする新NISAでは、制度の恒久化や投資枠の拡大などが行われ、さらに使いやすくなります。
- 非課税保有期間の無期限化
- 年間投資額、非課税保有限度額の引き上げ
- つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能
②相続税・贈与税の制度改正
令和5年度税制改正の中で、親から子ども・孫世代への資産移転(贈与や相続)に関する税制も改正されます。
生前贈与に対する各種優遇措置の変更、生前贈与された財産が相続税の対象になる期間の延長などが行われます。
- 相続時精算課税制度において新たに年間110万円の基礎控除を創設
- 暦年課税制度において生前贈与された財産が相続財産に加算される期間が3年以内から7年以内に延長
③産前産後期間における国民健康保険料(税)の免除の開始
2023年に成立した健康保険法等を改正する法律によるものです。
免除される期間は出産予定日、または出産日となる月の前月から4ヵ月間です。
双子、三つ子など多胎妊娠の場合は出産予定日、または出産日となる月の3ヵ月前から最大6ヵ月間になります。
2024年4月
④不動産(土地・建物)の相続登記の申請義務化
所有者不明土地(不動産登記簿で所有者がすぐには判明しない土地、所有者が判明しても所在が不明で連絡がつかない土地など)を防ぐため、不動産登記制度が見直され、不動産の相続登記の申請が義務化されます。
不動産(土地・建物)を相続した場合、相続人は相続したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが法律上の義務になります。
義務を怠った場合、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。
2024年7月
⑤新しい紙幣(日本銀行券:1万円、5000円、1000円の3券種)の発行開始
2024年7月前半を目途に、新紙幣(1万円、5000円、1000円)が発行され流通が始まります。
新紙幣では、これまでよりも精細な透かし模様やストライプ型の3Dホログラムなど、新しい偽造防止技術が追加され、偽札の防止が強化されます。
もちろん、新紙幣が使われ始めても旧紙幣は使用を停止する法律など特別な措置がない限り、引き続き使うことができます。
2024年12月
マイナンバーカードと健康保険証が一体化、健康保険証が廃止される
2024年秋ごろ(12/8までに)施行予定のマイナンバー法等の一部改正法によるものです。
マイナンバーカードと健康保険証が一体化され、健康保険証が廃止されます。
マイナンバーカードを健康保険証として利用するには、カードに内蔵されたICチップを読み取れるスマートフォン、セブン銀行のATMや自治体が設置する住民向け端末などを使って申し込む必要があります。
さらにこの改正で、行政手続きのデジタル化に向けてマイナンバーの利用範囲の拡大が検討され、申し込み窓口の拡充など普及に向けた各種の施策もスタートします。
企業型DC、iDeCoの拠出限度額の公平化を目指した変更
企業型DC(確定拠出年金)の事業主掛金額、iDeCoの掛金額には、それぞれ上限額(拠出限度額)が設けられています。
これまで、確定給付企業年金(DB)等、ほかに加入している年金制度がある場合はそれを踏まえた上限額が一律で設定されていましたが、より公平な運用を目指して、加入者それぞれが加入する確定給付企業年金(DB)等の掛金相当額を反映した上限額に変更になります。
【2024年】家計や暮らしに関連する制度改正|まとめ
2024年は、さまざまな家計や暮らしに関連する制度改正制度が施行されます。
制度改正の内容を事前に知ることでメリットをいかせるよう準備していきましょう。