地震の発生は、日本列島付近のプレートの影響により起きますが、その発生機序によって「海溝型地震」と「直下型地震」に分けられます。
どちらの地震も規模の大きさによって被害が出ますが、揺れる時間や範囲に違いがあります。
今回は、この海溝型地震と直下型地震の発生機序や特徴、どのような違いがあるのかを解説していきます。
海溝型地震と直下型地震
日本列島は、北半分が北アメリカプレート、南半分がユーラシアプレートに乗っている状態にあります。
そして、その2つのプレートに東側から太平洋プレートとフィリピン海プレートが潜り込んでいます。
太平洋プレートとフィリピン海プレートは、時間の経過とともに少しずつ潜り込んできていて、それを要因として地震が起きています。
太平洋プレート | 西北西方向に年間8cmの速度 |
フィリピン海プレート | 北西方向に年間3~5cmの速度 |
地震はこれらのプレートが干渉し合って起こるのですが、その発生のしかたで「海溝型地震」や「直下型地震」といった名前がつけられています。
海溝型地震のしくみ
海溝型地震はプレートの跳ね上がりによって起きる地震です。
海底の深い場所で巨大なプレートが跳ね上がることによって地震が発生するため、海水が大きく揺れ津波の発生に繋がります。
そのため、被害が広範囲に拡がる特徴があります。
海溝型地震の代表的なものには2011年に起きた東日本大震災が挙げられます。
- 海底の深い場所で起こる
- 強大なプレートが跳ね上がるため、被害が広範囲になる
- 海水が大きく揺れるので、津波の発生に繋がる
- 海底にある海洋プレートが、陸のプレートの下に長い年月をかけて少しずつ沈み込んでいく。
- それと同時に陸のプレートも少しずつ引きずり込まれていく。
- 陸のプレートのひずみは少しずつ蓄積され、ある一定の年月を経たのちに大きく跳ね上がる。
- このときの陸のプレートの跳ね上がりによって海溝型地震が起きる。
海溝型地震では、地震の揺れがおさまったあとの津波に注意が必要です。
直下型地震のしくみ
直下型地震は内陸部のプレートの破壊によって起きる地震です。
プレートの沈み込みによって内陸部のプレートが破壊され、20~30km程度の狭い範囲で大きな被害が起こることが特徴です。
このときにできる地盤のずれは活断層と呼ばれ、地表に破壊面が現れます。
直下型地震の代表的なものに、1995年に起きた阪神淡路大震災が挙げられます。
- 内陸部の地表付近で起こる
- 内陸部で起こるので生活エリアを直撃する
- 建物の倒壊が起こりやすい
- 海底にある海洋プレートは、陸のプレートの下に長い年月をかけて少しずつ沈み込んでいく。
- それと同時に陸のプレートも少しずつ引きずり込まれていく。
- 陸のプレートのひずみは少しずつ蓄積され、ある一定の年月を経たのちに内陸部のプレートの破壊を引き起こす。
- この内陸部のプレートの破壊によって直下型地震が起きる。
直下型地震は内陸部の地表付近で起こるので、緊急地震速報が間に合わないことがあります。
海溝型地震と直下型地震の違いを解説!!|まとめ
今回は、海溝型地震と直下型地震の発生機序や特徴、どのような違いがあるのかを解説しました。
この2つの地震の特徴を表にすると以下のようになります。
海溝型地震 | 直下型地震 | |
---|---|---|
揺れ | 小さな縦揺れのあとにゆっくりとした大きな横揺れが起こることが多い | いきなり大きな縦揺れが起こることが多い |
揺れる時間 | 数分間 | 数十秒 |
揺れる範囲 | 広い範囲 | 狭い範囲 |
予想される被害 | ・家屋の倒壊 ・火災 ・津波 | ・家屋の倒壊 ・火災 |
地震の原因となるプレートのずれるスピードは、100年に数cm程度とされていますが、そのズレが止まることはないのでいつかは地震が起きてしまいます。
地震を防ぐことはできませんが地震への備えはすることができるので、正しい知識を持ち、正しい準備をしっかりしておきましょう。