自律神経を整えることは心身の健康を保つためにとても重要なことだと言われますが、この「自律神経を整える」とはどのようなことなのでしょうか?
また、自律神経を整えることが生活にどのように影響するのでしょうか?
今回は、「自律神経を整える7つの方法」について解説します。
自律神経とは?
自律神経を整える方法を知る前に、まずは「自律神経」がどのようなものなのかを知っていきましょう。
自律神経は、ヒトの体の生命維持機能をコントロールする役割を担っているとても重要なもので、「呼吸器官・消化器官・体温調節機能」などを自分の意思とは無関係に調整してくれています。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分けられ、基本的に人が起きて活動している時間帯は交感神経が、リラックスしているときや寝ている時間は副交感神経が優位になるといわれています。
交感神経が優位な場合には、血管が収縮して血圧が上昇し心身が活動的な状態になります。
また、副交感神経が優位な場合には、血管が緩んで血圧が低下し心身もリラックスした穏やかな状態になります。
この交感神経と副交感神経が必要に応じて切り替わることによって、体内のバランスはより良い状態に保たれています。
交感神経 | ・人が起きて活動しているときに優位に働く ・心身を活発にする ・血管が収縮して血圧が上昇 |
副交感神経 | ・リラックスしているときや寝ている時間に優位に働く ・心身をリラックスさせる ・血管が緩んで血圧が低下 |
自律神経が整うとは、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行われているということです。
自律神経が乱れるとどうなる?
通常、自律神経が整っていると、交感神経と副交感神経の切り替わりがスムーズに行われています。
そのことで、体内のバランスもより良い状態に保たれています。
ただ、自律神経が乱れてしまうと、交感神経と副交感神経の切り替わりがスムーズに行われなくなってしまい、心身にさまざまな不調が現れます。
自律神経失調症
「自律神経失調症」は、自律神経が乱れてしまい心身にさまざまな不調が現れる病気です。
自律神経失調症は自律神経の乱れから発症し、さまざまな症状がみられます。
- 吐き気
- 多汗
- 全身のだるさ
- 頭痛
- 肩こり
- 手足のしびれ
- 動悸
- 不整脈
- めまい
- 不眠 など
心身の健康を保つためには、自律神経を整え、交感神経と副交感神経の切り替わりがスムーズにできる状態にしておくことが大切です。
自律神経を7つの整える方法
自律神経が乱れ、自律神経失調症などを引き起こさないようにすることは、日常生活の中での取り組みでも行うことができます。
常日頃から「自律神経を整える方法」を実践していきましょう。
① 朝起きたら朝日を浴びる
朝起きたときに朝日を浴びることで「体内時計」がリセットされます。
それによって、体に活動と休息のリズムが生まれ、自律神経を整えることができます。
また、光の刺激が目に入ることで体内で「セロトニン」が活性化されます。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質で、自律神経を整える働きがあります。
セロトニンは、脳内の神経伝達物質のひとつで、ドーパミンやノルアドレナリンを制御し、精神を安定させる働きがあります。
セロトニンを増やすことで精神的な安定が得られると言われるため、「幸せホルモン」と呼ばれます。
② 適度な運動をする
体を動かすことで心臓から血液が全身に送り出され、「セロトニン」をはじめとする神経伝達物質が活性化します。
それによって爽快な気分にもなれ、ストレス解消にもつながります。
急にハードな運動をすると逆に疲労がたまってしまうので、まずは散歩、ウォーキング、ジョギング、ヨガなど、無理のない範囲で体を動かすことがおすすめです。
適度な運動でリフレッシュすることが大切です。
③ 毎日、お風呂につかる
お風呂をシャワーで済ませてしまう方も多いですが、夜にゆっくりとお風呂につかることで自律神経を整えることができます。
お風呂のお湯は、36~40℃程度のぬるめのお湯にします。
そうすることで副交感神経が優位になり、心身がリラックスした状態になるので、質の良い睡眠にもつながります。
逆に、熱いお湯につかってしまうと交感神経が活発になってしまうので注意が必要です。
お風呂はぬるめのお湯でゆっくりつかりましょう。
④ 良質な睡眠をとる
睡眠時は、心身の疲れを解消や細胞の修復が行われる大切な時間であり、良質な睡眠をとることは自律神経を整えるにあたって重要です。
就寝前はリラックスした状態で過ごしましょう。
寝る直前までスマホを見る方が多いですが、それによって目がさえてしまい寝れなくなってしまうこともあります。
また、ブルーライトによってバイオリズムが乱れ、心身にストレスを与えてしまうとも言われています。
そのため、寝るときにはスマホやタブレットなどは使用しないようにすることが大切です。
昼寝をすると副交感神経が働き、心身をリラックスさせるため、自律神経を整えるのに効果的です。
長時間の昼寝は、夜に眠れなくなってしまうので15~30分程度がおすすめです。
また、昼寝をされない方であっても、瞑想(5分程度目を閉じて何も考えない時間)をすると、脳を休ませることができます。
⑤ 食生活を改善する
自律神経を整えるためには「食生活を改善する」ことも大切です。
外食が多く、インスタント食品を中心とした食生活になっている方は、栄養バランスを整えた食生活を意識しましょう。
とくにビタミンやミネラルといった、普段の食事で不足しがちな栄養素はしっかり摂取しましょう。
前述した幸せホルモン「セロトニン」を生成できる栄養素があります。
必要となる栄養素は「必須アミノ酸 トリプトファン」 「ビタミンB6」 「炭水化物」の3つです。
トリプトファン | ビタミンB6 | 炭水化物 |
---|---|---|
牛乳 ヨーグルト チーズ 大豆製品 | カツオ マグロ レバー 肉類 | 白米 小麦 |
なお、イワシはトリプトファンとビタミンB6の両方を含んでいます。
また、バナナは3つの栄養素をすべて含んでいる食品です。
バナナは食生活に取り入れやすいのでおすすめです。
⑥ 腸内環境を整える
腸内環境は、ストレスや緊張などの精神的な影響を受けやすく、すぐに悪化してしまいます。
とくにもともと胃腸が弱い方は、便秘や下痢などの不調を起こしやすく、それに伴って副交感神経の働きも低下してしまいます。
そうなることで、血管が収縮して血流も悪くなり、栄養が体のすみずみまで行き届かずに、体調不良を引き起こしやすくなってしまいます。
胃腸が弱い方は「腸活」を生活習慣に取り入れることをおすすめします。
- 食事で腸活
- 運動で腸活
- マッサージ
- ストレスケア
- 生活習慣の改善
腸活の詳しい内容は「腸活とは?気になる効果や方法、おすすめの腸活アイテムを紹介」にまとめていますのでご参照ください。
⑦ 首・肩を温める
首・肩を温めることでリラックス効果を得られるだけではなく、血流がよくなることでの首コリ、肩コリの解消も期待できます。
また、それによって冷えや疲れも解消されやすくなります。
冷えや疲労感は自律神経の乱れによる症状のひとつなので、首・肩を温めることによって自律神経の機能を高めることも期待できます。
首・肩を温める方法は、ホットタオルや温熱シートの使用がおすすめです。
また、首・肩に合わせて、目元も温めるとさらに効果的です。
温めるタイミングは、日中に疲れを感じたときや、就寝30分前が効果的です。
自律神経を整える7つの方法とは?自律神経失調症を引き起こさないために大切なこと|まとめ
自律神経のバランスが崩れてしまうと、不調が出現し、最終的に「自律神経失調症」などを引き起こしてしまいます。
そのような状態にならないために、日常生活を見直して自律神経を整えることが大切です。
心身ともに健康的に過ごすために、今回ご紹介した方法を試されてみてください。