新型コロナウイルス感染症の検査「PCR検査・抗原検査(定量・定性)・抗体検査」を解説!!


イチパパ(@1papa_life)です。今回は、新型コロナウイルス感染症を診断する検査についてまとめていきます。
新型コロナウイルス感染症は、感染症法の分類において季節性インフルエンザなどと同じ5類にもうすぐ変更されると言われていますが、だからと言って新型コロナウイルス自体がなくなるわけではありません。
もちろん、感染の疑いがあれば検査を行うでしょうし、検査をしなくてよいということになるとも思えません。
そこで、現在行われている新型コロナウイルス感染症に対する検査を再度確認しておこうと思います。
今回は、新型コロナウイルス感染症の検査「PCR検査・抗原検査(定量・定性)・抗体検査」についてまとめていきます。
新型コロナウイルス感染症の検査
現在、新型コロナウイルス感染症に対する検査には、下の4つの検査が行われています。
この4つの検査はいづれも新型コロナウイルスへの感染状況を調べる検査ですが、検査の目的は異なり「現在の感染の有無を調べる」 「過去の感染の有無を調べる」の2通りの役割があります。
現在の感染の有無を調べる | PCR検査・抗原検査 |
過去の感染の有無を調べる | 抗体検査 |
新型コロナウイルス感染症の4つの検査
抗体検査
「抗体検査」は、新型コロナウイルスへの過去の感染の有無を調べる検査であり、現在の感染状況を調べる検査ではありません。
そのため、PCR検査で陰性でも抗体検査で陽性になった場合には、過去に感染したことがあることを示しています。
検査は血液内の抗ウイルス抗体を検出することで行います。
抗原検査(定性検査)
「抗原定性検査」は、鼻咽頭ぬぐい液・鼻腔ぬぐい液を用いて「抗原の量」を調べる検査です。
抗原を採取して30分以内に検査結果が出るので便利です。
ただ、一定量以上のウイルスが「いる・いない」を判定するだけの検査なので、感染していたとしても、一定量以下のウイルスしかいない場合には「陰性」と判定されてしまいます。
つまり、「陰性」と判定された数日後に、ウイルスが増えた状態で再度検査をすると「陽性」と出ることもあります。
「陰性」と結果が出ても、出ている症状から感染が疑われる場合には、追加でPCR検査が行われます。
大型の検査機器などを必要としないため、医療機関に限らず高齢者施設や学校などでも検査が行えるメリットがあります。
抗原検査(定量検査)
「抗原定量検査」は、鼻咽頭ぬぐい液・鼻腔ぬぐい液・唾液を用いて「抗原の量」を調べるものです。
大型の機器を使用して検査をするので、抗原定性検査よりも少ない量のウイルスを検査することができますが、PCR検査よりも感度は劣ります。
無症状者の検査を対象とする空港検疫所などで用いられています。
PCR検査(遺伝子増幅検査)
「PCR検査」は、現在の新型コロナウイルス感染症を調べる最も主たる検査法となっています。
検体として、鼻咽頭ぬぐい液・鼻腔ぬぐい液・喀痰・唾液等を用い、検体内のウイルスを特殊な検査機器で増幅して検査を行います。
そのため、検査機器やそれを使用できる技術者が必要になりますが、少ないウイルスでも検出することができる最も精度の高い検査になります。
新型コロナウイルス感染症の検査一覧表
抗体検査 | 抗原定性検査 | 抗原定量検査 | PCR検査 | |
---|---|---|---|---|
目的 | 過去の感染 | 現在の感染 | 現在の感染 | 現在の感染 |
検体 | 血液 | 鼻咽頭ぬぐい液、鼻腔ぬぐい液 | 鼻咽頭ぬぐい液、鼻腔ぬぐい液、唾液 | 鼻咽頭ぬぐい液、鼻腔ぬぐい液、喀痰、唾液 |
調べるもの | 感染後にできた抗体 | ウイルスを特徴づけるタンパク質(抗原) | ウイルスを特徴づけるタンパク質(抗原) | ウイルスを特徴づける遺伝子配列 |
精度 | 確立されていない | 検出には一定以上のウイルス量が必要 | 定性検査よりは高いが、PCR検査よりは劣る | かなり高い |
検査機器 | 必要 | 簡易キットで検査可能 | 必要 | 必要 |
施設 | 疫学調査などで用いられる | 小規模施設 | 検査センター、一定規模以上の病院、空港検疫所 | 国立感染症研究所、医療機関 |
新型コロナウイルス感染症の検査「PCR検査・抗原検査(定量・定性)・抗体検査」を解説!!|まとめ
今回は、新型コロナウイルス感染症の検査「PCR検査・抗原検査(定量・定性)・抗体検査」についてまとめました。
感染症法の分類が2類から5類に変わっても、新型コロナウイルスが変化するわけではありませんので、感染対策はしっかり行っていきましょう。