日頃の気のゆるみや不摂生によってブヨブヨになってしまった体をどうにかしたい。
久しぶりに体重計に乗ってみたらびっくりした。
世の中にこのように思う方は多くいらっしゃいます。
自己管理・・・簡単に聞こえる言葉ですが、行動するには本当に難しいことです。
そのような方に向けて、まずは「体重を1kg落とすために必要なカロリー」を知って頂けたらと思います。
闇雲ではなく効率的ににダイエットを進めていくために、まず知識をつけていきましょう。
人の基本的な消費エネルギーは基礎代謝で決まる
食事をするときに摂取カロリーを気にされる方は多いですが、ご自分が生活の中で消費しているカロリーを確認されているでしょうか?
ヒトは日々の活動の中で常にカロリーを消費し、何の活動をしていないときにもカロリーを消費しています。
そして、その消費エネルギーはその人の基礎代謝によって表されます。
基礎代謝とは、人が1日生活している中で消費しているエネルギーのことです。
基礎代謝は生きるために最低限必要なエネルギー
基礎代謝は、生きていくために最低限必要な生命活動(体温の維持、内臓を動かすなど)に使われるエネルギーのことです。
その人が生きていくために必要なエネルギーなので、人それぞれ年齢や性別、体型などによって基礎代謝のカロリー数は異なります。
人は普段活動をしているので、この基礎代謝に活動した分の消費エネルギーを足したものが、その方のTotalの消費カロリーになりますが、Totalの消費カロリーよりも食事による摂取カロリーが多いと太ることになってしまいます。
年代別の基礎代謝
基礎代謝は、年齢や性別、各個人によって異なります。
そして、年齢別に比較すると10代後半をピークに加齢とともに落ちていきます。
年齢・性別による基準体重をもとに算出された1日あたりの基礎代謝は以下のとおりです。
男性 (kcal) | 女性 (kcal) | |
---|---|---|
1~2歳 | 730 | 660 |
3~5歳 | 920 | 840 |
6~7歳 | 1020 | 910 |
8~9歳 | 1140 | 1040 |
10~11歳 | 1330 | 1240 |
12~14歳 | 1550 | 1350 |
15~17歳 | 1570 | 1270 |
18~29歳 | 1520 | 1180 |
30~49歳 | 1520 | 1140 |
50~69歳 | 1380 | 1100 |
70歳以上 | 1230 | 1030 |
基礎代謝を上げるには?
ヒトの体の部位で、基礎代謝のエネルギー消費が最も大きい部位は筋肉です。
そのため、基礎代謝は筋肉を鍛えることで増やすことができます。
筋肉量を増やし基礎代謝を高くすると消費エネルギーも増えるので太りにくい体になります。
逆に、筋肉量が少なく基礎代謝が低いと消費エネルギーも少ないので太りやすい体になります。
この理由から、絶食するダイエットよりも運動するダイエットの方が良いことが分かります。
基礎代謝に対する筋肉の消費エネルギー
人が1日に消費するエネルギー量のうち基礎代謝が占める割合は60~70%です。
そして、その中の約40%が筋肉で消費されています。
これを全体の消費エネルギーで換算すると、筋肉が消費しているエネルギーの割合は約30%になります。
そのため、効率よく消費エネルギーを増やしたいのであれば、筋肉を鍛えることがいかに効果的かということが分かります。
人が1日に消費するエネルギーの割合は、以下のようになります。
- 基礎代謝 60~70%
- 活動誘発性体熱産生(身体活動代謝) 20~30%
- 食事誘発体熱産生 10~20%
基礎代謝は先ほど説明しましたとおり何もしなくても消費されるエネルギーです。
活動誘発性体熱産生は日常の行動や運動などで消費されるエネルギーです。
食事誘発体熱産生は食事をして消化、吸収する際に発生するエネルギーになります。
脂肪をつけずに筋肉を増やす
筋肉量を増やすことで基礎代謝は増加しますが、筋肉だけでなく脂肪もついてしまうので、いかに脂肪をつけずに筋肉をつけるかが課題になります。
ちなみに、運動をやめると筋肉が脂肪に変わるなどと言われる人がいらっしゃいますが、筋肉と脂肪はまったくの別物であるのでそのようなことはなく、もちろん運動したからといって脂肪が筋肉に変わることもありません。
これから筋肉量を増やしたい方は、脂肪をつけないように工夫しながら筋トレを行っていきましょう。
脂肪をつけずに筋肉を増やす4つのポイントをまとめます。
①脂肪を増やさない理想的なカロリー摂取を心がける
筋肉量を増やすためにはエネルギー摂取が欠かせません。
バランス良い栄養摂取は当然ですが、特に重要なのは「筋肉」の材料であるタンパク質の摂取です。
筋肉を増やしたいのであれば、必要なタンパク質をしっかり摂取する必要があります。
逆に、脂肪の材料は脂質なので、脂肪の増量を抑えるために脂質の摂取を控えめにしましょう。
ちなみに、栄養素とビタミンをしっかり取ることで筋トレ後の回復を早めることができます。
②炭水化物の摂取について
炭水化物は糖質なので必要なさそうですが、筋肉の修復と増強に使用されます。
そのため、最低でもトレーニングを行う日には適度な量の炭水化物を摂取することが効果的です。
炭水化物ダイエットが流行っていますが適度な炭水化物は必要だということは覚えておきましょう。
炭水化物を完全にカットしてしまうと脳の栄養が足りなくなってしまうので、「集中力がなくなる」「無気力になる」「イライラする」などの症状も出る可能性があります。
体調面のことを考えても、適度な量の炭水化物を摂取するように心がけましょう。
③重いウエイトで回数を増やした筋トレを行う
筋肉量を増やしたいのであれば、重いウエイトでのトレーニングが重要になります。
理想は自分が10回できるかできないかぐらいの負荷で、筋肉を追い込んでいきます。
そうすることで、筋肉は一時的に破壊され、再生するときに強く太く鍛えられます。
逆に、筋肉量を増やさず持久力をつけたいのであれば、少ない負荷で多くの回数をこなすようにするとよいです。
④睡眠時間をしっかりとる
ヒトの体は睡眠中に成長ホルモンを最も多く分泌します。
そのため、トレーニングによって破壊された筋肉が一番修復されるのは睡眠中ということになります。
筋肉の修復が効率的に行われるように、運動したあとはしっかり睡眠をとって体を休めるようにしましょう。
年齢によっても異なりますが、7~8時間の睡眠をとることが理想的です。
体重を1kg落とすために必要なカロリーは?
体重を1kg落とすためには7,000kcalを消費する必要があるとされています。
目標体重を決めている場合には、「5kgなら7,000kcal×5=35,000kcal」というように、必要な消費カロリー数をあらかじめ把握しておくことができます。
あとは、摂取カロリーよりも消費カロリーを多くし、その合計が減量に必要な消費カロリー数に達成したら、目標体重に達成することができることになります。
1ヵ月で1kg体重を落とす目標を立てた場合
1ヵ月で1kg体重を落とす目標を立てた場合、1日にどれだけの消費カロリーが必要かを計算すると、”7,000 ÷ 30 = 234”で、234kcal必要だということが分かります。
つまり、摂取カロリーよりも消費カロリーを毎日234kcalずつ多く消費していけば、1ヵ月後には体重が1kg減る計算になります。
基礎代謝だけで考えるとすると、基礎代謝が1,500kcalの人が1ヶ月で1kg体重を落としたいのであれば、毎日の摂取カロリーを1,200kcal程度に抑えることで、1ヵ月後には目標を達成できる計算になります。
また、食事の摂取カロリーを基礎代謝と同じ1,500kcalとした場合であっても、毎日234kcalを消費する運動を継続することで目標を達成できる計算になります。
【効率的なダイエット】体重を1kg落とすために必要なカロリー|まとめ
無理なダイエットをされる方に、断食をしながら激しい運動を継続される方がいますが、このやり方はケガをしやすくなるのでおすすめできません。
理想的な体重の落とし方は、1kg7,000kcalを意識しながら摂取カロリーを抑えつつ、運動をして消費カロリーを増やす方法です。
運動によって筋肉がつくと基礎代謝も上昇するので、さらにダイエット効果も高まります。
また、ご自身の基礎代謝やダイエットに必要な消費カロリーを知っておくことで、食事に対する摂取カロリーへの意識も高めることができます。
効率的、そして健康的にダイエットを進めるために知識をつけ、ご自身の状態を把握するように心掛けましょう。