2023年1月17日に放送されたカズレーザーと学ぶ新知識「長寿遺伝子『サーチュイン』老化を遅らせる夢の食材とは?」をまとめていきます。
長寿遺伝子「サーチュイン」なんて言葉は初めて聞きましたが、本当にそのような遺伝子があり、食べ物で老化を遅らせることができるのであればすごいことです。
あとは、この食材が手に入りやすいものだったいいのですが・・・。
長寿遺伝子「サーチュイン」と老化を遅らせる夢の食材についてまとめていきます。
サーチュイン遺伝子とは?
サーチュイン遺伝子とは、マサチューセッツ工科大学が発見した「寿命を延ばす遺伝子」のことで、別名「長寿遺伝子」と呼ばれています。
サーチュイン遺伝子とアセチル基
細胞は徐々に傷つき老化していきますが、細胞内ではその傷ついた部分を常に再生・修復を行おうと若返りを図っています。
ですが、年齢とともにその若返りの働きは「アセチル基」によって阻害され、再生・修復がされなくなっていきます。
このアセチル基の阻害を酵素の力で解除することができるのが「サーチュイン遺伝子」です。
サーチュイン遺伝子によって細胞を再活性化させることができれば、細胞内で再び再生・修復が行われることになり、細胞が若返ることになります。
アセチル基が若返りを阻害する理由は?
そもそもアセチル基はなぜ再生と修復を阻害するのでしょうか?
これには、生き物の寿命が関係しているようです。
生き物はどんなものでも寿命があり、生きている限りは死ななくはいけないらしいです。
そのため、細胞を死ぬ方向に向かわせるために、アセチル基が制御をしてストップをかけているみたいです。
若返りにはアセチル基をサーチュイン遺伝子が解除することが重要です。
サーチュイン遺伝子の導入方法は?
若返りに重要なサーチュイン遺伝子はどのように導入すればよいのでしょうか?
これにはいくつか方法があるみたいなので、大学や研究施設の実験結果と共に紹介します。
「カロリーカット」でサーチュイン遺伝子を活性化
サーチュイン遺伝子はカロリーカットによって活性化することがマウスとサルを使った実験で分かっています。
また、その実験によって、ヒトのサーチュイン遺伝子の活性化によって改善が期待される老化現象は、以下のものになります。
視力低下・認知機能の低下・難聴・運動機能障害・心血管疾患・脂肪肝・免疫機能低下・糖尿病・がん・不妊・炎症・肥満 など
マウスを使った実験結果
マウスでの実験 | カロリー制限なし | カロリー30%カット |
---|---|---|
サーチュイン遺伝子 | 活性なし | 活性あり |
平均寿命 | 700日 | 1,050日 |
マウスを使った実験では、カロリー制限をしていないマウスと30%のカロリー制限をしたマウスの平均寿命を比較しています。
結果は、カロリー制限をしてサーチュイン遺伝子を活性化したマウスの方が、平均寿命が1.5倍長くなることが証明されています。
これを人間の寿命に換算すると約20年のプラスになるそうです。
サルを使った実験結果
サルでの実験 | カロリー制限なし | カロリー30%カット |
---|---|---|
サーチュイン遺伝子 | 活性なし | 活性あり |
毛のツヤ | 悪い | 良い |
見た目 | 年老いている | 若々しい |
サルを使った実験では、カロリー制限をしていないサルと30%のカロリー制限をしたサルの毛のツヤや見た目を比較しています。
食事量を減らした方が毛づやが良く若々しい見た目になったことが証明され、さらに「ガン・糖尿病・心臓疾患」など加齢に関係する病気も減少したみたいです。
「食べ物」でサーチュイン遺伝子を活性化
カロリー制限によってサーチュイン遺伝子を活性化させることができますが、極度のカロリー制限は「免疫の低下・栄養失調」の危険があります。
そこで、食べ物でサーチュイン遺伝子の量を増やしたり活性化したりする方法がないか研究されました。
その研究で判明した最もサーチュイン遺伝子に効果がある食べ物は「ザクロ」です。
ザクロには、「エラグ酸」という物質が多く含まれています。
このエラグ酸は、ベリー系やナッツ類に含まれるポリフェノールの一種で、体内に取り込まれるとウロリチンに変化し、サーチュインを活性化させます。
ザクロのエラグ酸含有量
ザクロにはいちごの6倍、ブルーベリーの164倍のエラグ酸が含有されています。
ブルーベリー | いちご | ザクロ |
---|---|---|
1.4 | 35 | 227 |
ザクロのサーチュイン遺伝子への効果
サーチュイン遺伝子には7種類あり、その中で3つのサーチュイン遺伝子が抗老化に作用しているのではないかと言われている。
サーチュイン | 機能 |
---|---|
SIRT1 | 代謝・炎症・寿命延長 |
SIRT2 | 細胞周期・運動性・ミエリン形成 |
SIRT3 | 脂肪酸酸化・抗酸化制御 |
SIRT4 | インスリン分泌・脂肪酸参加抑制 |
SIRT5 | 尿素回路 |
SIRT6 | ゲノム安定性・寿命延長 |
SIRT7 | rDNA転写 |
上の表において、「SIRT1・SIRT3・SIRT6」が抗老化に機能していると注目されているが、ザクロにはウロリチンの他にもこの3つのサーチュイン遺伝子を活性させるポリフェノールが含まれています。
ザクロをどのように摂取すればよいのか?
サーチュイン遺伝子に効果的なザクロですが、1日1杯のザクロジュースを飲めば充分効果があるみたいです。
ザクロの他にも、セロリや春菊などのポリフェノールも効果があるみたいです。
「食べ物」で酵素の反応速度を活性化
サーチュイン遺伝子の量を増やすウロリチンに加えて、酵素の反応速度を活性化させる物質の研究もされています。
そして、酵素活性(反応速度)を上げる物質は「アルキルレゾルシノール」という物質だということが分かっています。
このアルキルレゾルシノールの効果は、体重減少やコレステロール値を下げることです。
ショウジョウバエを使った実験結果
通常食 | アルキルレゾルシノール | |
---|---|---|
平均寿命 | 45日 | 55日 |
ショウジョウバエを使った実験では、通常食を与えたショウジョウバエとアルキルレゾルシノールを与えたショウジョウバエの平均寿命を比較しています。
すると、アルキルレゾルシノールを与えたショウジョウバエでは平均寿命が10日延び、これを人間の寿命に換算すると約20年のプラスになるそうです。
アルキルレゾルシノールが含まれる食べ物は?
アルキルレゾルシノールが一番多く含まれる食べ物は「ライ麦」です。
アルキルレゾルシノールは穀物の外皮に含まれる成分で、小麦の2杯、稲の200杯とかなりの成分が含まれています。
ただ、皮も含めた含有量の比較なので、実際には稲や小麦にはあまり含まれていません。
ライ麦の場合には全粒粉の場合が多いので、ライ麦パンの場合は1日に1枚程度で効果を得ることができます。
長寿遺伝子「サーチュイン」とは?老化を遅らせる夢の食材|まとめ
2023年1月17日に放送されたカズレーザーと学ぶ新知識「長寿遺伝子『サーチュイン』老化を遅らせる夢の食材とは?」についてまとめました。
ザクロやライ麦パンを食べるだけで若返る可能性があるということはとてもすごいことです。
簡単に取り組める方法ですし、ぜひ取り組んでみましょう。