認知症を発見するAI技術と認知症の予防法【きょうの健康】豊かな人生の処方箋

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2023年1月11日に放送されたきょうの健康「認知症を発見するAI技術と認知症の予防法」をまとめていきます。

2025年には認知症の患者数は700万人、65歳以上の方の5人に1人は認知症になると言われています。

ですが、認知症を認知症の前段階である「軽度認知障害(MCI)」で発見し、適切に対処できれば健常な状態に戻れる可能性があります。

つまり、認知症の早期発見が重要になります。

この早期発見に期待されているのがAI技術です。

歩き方や会話によって、近い将来、認知症を早期発見できるようになるかもしれません。

今回は、認知症を早期に発見できるAI(人工知能)技術と認知症の予防法について紹介していきます。

認知症の人が見ている世界
目次

認知症の早期発見

認知症に至るまでには、「健康」な状態から「軽度認知障害(MCI)」になり、「認知症」の状態になるというプロセスがあります。

認知症までのプロセス

健康 ↔ 軽度認知障害(MCI) → 認知症

認知症になる前段階である「軽度認知障害(MCI)」の期間は5~10年と言われていて、この段階で見つけることができれば健康な状態に戻せる可能性があるとされています。

また、新薬の開発も進んでいるので早期に発見することができれば、それだけ早くから治療を開始することができます。

認知症はの治療は早期発見が鍵になります。

認知症を早期発見するAI技術の研究

現在、認知症を早期発見するためのAI技術の研究が進んでいます。

AI技術の研究
  • 会話で認知症の疑いを検知する研究
  • 歩き方で認知症の兆候を捉える研究
  • 顔写真から認知機能の低下を見分ける研究
  • 音声で認知症の可能性を捉える研究  など

今回は、上記の研究の中から2つのものを紹介します。

会話で認知症の疑いを検知する研究

「会話で認知症の疑いを検知する研究」は、慶應義塾大学とAI開発会社によって行われています。

会話の時間は5~10分程度、話す内容はフリートークで行い、このときの会話を録音します。

この録音データを文字起こししテキスト化し、このデータをAIに解析させると「健康・軽度認知障害(MCI)・認知症」の程度の結果が出ます。

AIはどのように認知症を検知しているのか?

AIが学んでいる情報のひとつに「品詞情報」があり、この品詞(名詞・動詞・助詞)を捉えることによって文章の構造を確認しています。

文章の構造

「あしたは晴れるといいな」

上記の文章を品詞情報で分けると下のようになります。

あした(名詞)・は(助詞)・晴れる(動詞)・と(助詞)・いい(形容詞)・な(助詞)

話している内容の文章構造がおかしい部分を検知して認知症の判断を行います。

AIは認知症の高齢者データ、健常者の高齢者データを確認していくうちに、認知症高齢者の話し方の特徴を見分け、判断をしています。

会話での認知症の検知が簡単にできるようになればどうなる?

会話での認知症の検知が簡単にできるようになれば、専門の病院でなくても認知症疑いの検査を行えるようになるため、スクリーニング(拾い上げ)がしやすくなります。

つまり、認知症の早期発見に繋がることになります。

現在の検査は?

現在も認知症の検査は、質問形式で行う「認知機能検査」というものが行われています。

ただ、何度も行うと質問を覚えてしまう可能性があるデメリットがあります。

また、認知症疑いの方は「自分が認知症かもしれないことを認めない」傾向が強いので、病院受診をすること自体が難しい場合もあり、早期発見に繋がらないケースも多いです。

認知症の診断には2~3年かかることもあり、その間に認知症が進行してしまうこともあります。

AI技術を用いた検査は、現在の「認知機能検査」よりも有効性が高いので期待されています。

AI技術を用いなくて普段の会話で認知症が気付けないのか?

認知症は普段の何気ない会話からも、疑いではないか見つけることができます。

認知症の方に見られる会話の特徴は以下の通りです。

認知症の会話の特徴
  • 同じ話を繰り返す
  • 「あれ・これ・それ」が増える
  • 時間や場所が曖昧になる
  • 話の内容が飛ぶ

上記の症状が見られた場合には専門の病院を早めに受診することがおすすめです。

歩き方で認知症の兆候を捉える研究

「歩き方で認知症の兆候を捉える研究」は、一関工業高等専門学校(Team MJ)によって行われています。

歩いているときに「自分の体がどう揺れているのか?」「体の回転がどのような歩き方になっているのか?」というのをスマートフォンを使って計測します。

計測方法は専用のアプリをセットし、腰にスマートフォンを装着して歩くだけです。

1分ほど歩くことで、AIが認知機能低下の兆候を数値化します。

認知症は歩くことで予防に繋がるので、早期発見と予防を目的に研究を行っているみたいです。

歩き方と認知症の関わりは?

認知症や認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)を発症する以前から、予兆として歩行に変化が見られます。

認知症の方に見られる歩き方の特徴としては、歩幅にばらつきが出たり、ふらついたり、歩くスピードが遅くなったりします。

認知症の方の歩き方
  • 歩幅がバラバラになる
  • ふらついたり不安定になる
  • 速度が遅くなる

認知症の歩き方の特徴は、認知症が進むにつれて徐々に現われてきます。

歩くことで認知症の予防に繋がるのか?

認知症の方が歩くことで、認知症が治るわけではないが、認知機能の低下を抑える可能性があります。

また、進行を抑える効果があります。

とくに初期の段階(軽度認知症の状態)においては、歩くことで4割程度の方は正常な状態に戻せるという報告もあります。

認知症予防の歩き方
  • 早歩きでウォーキング
  • 30分間、週3回が目標
  • 「歩く」+「頭を使う」とより効果的

早歩きでウォーキングをすると、脳の血流も増え、脳の酸素消費量も増えます。

認知症を発見するAI技術と認知症の予防法|まとめ

AI技術はまだこれからの技術で研究段階ではありますが、日頃の生活の中でも認知症に気付くきっかけはたくさんあります。

認知症になってから気付くのではなく、認知症になる前段階の軽度認知障害(MCI)を早期に発見していくのが、認知症を予防するためにとても重要なことになります。

さらに、認知症予防に向けて運動などを取り入れていくことが大切です。

認知症の人が見ている世界
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