生産性を向上する「業務改善」の方法とは？｜業務改善においてのリーダーの役割とやってはいけない言動

会社が存続し発展していくためには、現状維持ではなく常に生産性を向上させていかなければなりません。

そして、そのために会社の状況や職場の環境、スタッフの状態に合わせて業務を改善していく必要があります。

いつまでも古い方法では新しい状況に対応できないからです。

今回は、業務改善の方法と業務改善においてのリーダーの役割についてまとめていきます。

業務改善とは？

業務改善とは、職場内におけるシステム、人員配置、作業方法、作業の進め方などを常日頃から見直し、問題点があれば改善していくことです。

より良い業務改善を行うことによって職場の生産性は向上させることができます。

そのため、「いかに・無駄なく・無理なく・効率的に生産性を向上させるか」が業務改善にとっては重要になります。

業務改善によく似たものに「経費削減」というものがありますが、経費削減はコストをなくすことのみを目的としてものなので、業務改善とは少し異なります。

業務改善では、生産性を向上させるためにコストがかかってしまうものもあります。

業務改善の5つのながれ

業務改善を成功させるためには正しいながれに沿って進めていくことが重要で、基本的に5つのながれに沿って進めていきます。

① 業務の可視化

業務改善を行うときには、まずその業務でどのようなことを行っているのかを細かく可視化する必要があります。

業務を可視化することで、その業務の問題点を把握し、どの部分を改善する必要があるのかが見えてきます。

逆に、この可視化する作業をスムーズにできない場合には、そもそもその業務がどのようなものかを理解できていないので、業務改善をしても意味がありません。

② 業務の問題点を見つける

業務を可視化できたら、業務フローの中での問題点を見つけます。

「ムダな業務はないか？」「必要な業務を省いていないか？」「一部のスタッフに負担が集中していないか？」「一人でできる業務を複数人で行っていないか？」などを確認していきます。

業務の問題点を見つけるときには、できるだけ多くのスタッフの視点で、その業務を客観視して行うと良いです。

③ 業務改善の順番を決定する

業務改善を行う箇所が確認できたら、どの順番で業務を改善していくのかを決めていきます。

このとき、その業務の目標に対して最も影響を及ぼしている問題点から解決しようと考えると順番を決めやすいです。

ただ、人材登用や設備導入などすぐに解決できない問題点の場合には、他の問題点から取り組む方がうまく業務改善は進めることができます。

④ 業務改善のタスクの決定

業務改善の優先順位が決定したあとは、取り掛かる業務改善に必要なタスクを関係するスタッフに振り分け、最終の目標や日程の確認を行います。

このときに、必須なのは最終的にどうなれば達成なのかを取り掛かるスタッフで共有することです。

この最終的なゴールを取り掛かるスタッフが理解していないと、業務改善も中途半端なものになってしまいます。

⑤ 業務改善の実行

業務改善のタスクや目標の確認ができたら、実際に業務改善を行っていきます。

業務改善に取り掛かったあとは日程終了まで何もしないのではなく、一定期間を設けて「進捗の評価」を行い、必要であればタスクの修正も行います。

業務改善に対するリーダーの役割

自分が管理する部署の業務改善を行う場合、その部署のスタッフは自分たちの業務のみを考え、業務改善を行おうとしてしまいます。

これだと、自分の部署の業務がスムーズに動くようになっても、関連する他の部署の業務が効率の悪いものになってしまう可能性があります。

つまり、会社全体としての生産性は低下することになってしまいます。

これを防ぐために、リーダーは、業務改善を行うときにはその全体像を把握し、他の部署との関わりや管理する部署の会社としての位置づけなど、広い範囲での把握を行う必要があります。

リーダーは業務改善の中心に立つ必要はない

業務改善を行う際には、リーダーが必ずしも中心になる必要はありません。

ただ、業務改善におけるゴールをある程度見据えておく必要はあります。

このゴールは絶対的なものではなく、ある程度のゴールでありスタッフの意見や現場の状況に合わせて変化できる形のものです。

まずは、改善する部分・改善後のゴール・改善に関わるスタッフの役割などをリーダーは把握し、部下との共通の問題意識を持つことが重要です。

その上で、部下に対してアプローチを行っていきます。

部下と共に問題意識を持つ

リーダーは常に業務への問題意識を持ち、それを部下にも伝え、リーダーと同じように部下にも業務への問題意識を持ってもらいます。リーダーしか業務に対しての問題意識がないと、業務改善を行う上で部下からの意見はなかなか得ることができなくなってしまいます。

改善への提案の奨励、改善案の指導・援助

部下にも問題意識を持たせることで「改善の提案」があがってきます。リーダーはその提案が教務改善において有意義な案となるように指導・援助することが必要です。

改善案への障害を取り除く

せっかく改善案を作成しても関係者の理解や協力を得ることができず、そのことが障害になり業務改善を行えないことがあります。その障害が理不尽なものである場合には、障害を取り除けるように援助を行う必要があります。

部下がやる気をなくす不用意な言動に注意する

部下はリーダーが不用意に投げかけた言葉でやる気をなくし、業務に対するモチベーションを下げます。

そして、それと同時にリーダーへの信頼も無くしていきます。

一度失った信用は簡単に取り戻せるものではなく、そのことが会社の生産性にも響くことになります。

人は自分のことはあまり客観的に見えないものです。

気を付ける必要があるのは、仲の良いスタッフとのやり取りよりも、あまり仲の良くないスタッフとのやり取りの場合です。

言葉に出さなくても表情や態度に出ていないか自分自身で考えてみることが重要です。

不用意な言葉

以下のような言葉を発していないか振り返ってみましょう。

• そんなやり方時代遅れだよ。
• 君は何もわかってないね。
• どうせできないと思うよ。
• ある程度うまくいってるんだから、変えなくていいんじゃない。
• 君の考えは計画に含まれないよ。
• その考えは余計なことだね。
• 素人考えだね。

不用意な行動

以下のような態度をしていないか振り返ってみましょう。

• 部下の話をきちんと聞かない。
• 部下の話を聞いた後に鼻で笑う。
• 部下が話をしている時にため息をつく。

生産性を向上する業務改善｜まとめ

業務改善はどの会社においても必要なことですが、まずは職場の人間関係、雰囲気を整えることが第一条件です。

人間関係が良くない職場では一人仕事になりがちであり、他のスタッフとのコミュニケーションも少なくなりがちです。

職場の人間関係が良くなれば、雰囲気も良くなり、多くのコミュニケーションの中から自然に業務に対しての意見交換も行われ、形を作らなくても業務改善というものが行われます。

そして、より良い業務改善が行われれば、会社の活性化・発展に繋がることになります。

リーダーはその部署の全体像を把握し、部下との共通認識の中で問題意識を持ち、その問題を解決していけるように、部署内の雰囲気作りをしていくことがとても重要になります。