どの病院を受診する?「病院の診療科」の種類と診療内容を分かりやすく解説

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病院には専門としている分野を「診療科」というもので区分けしており、たくさんの種類があります。

そのため、体調が悪いときに医療機関を受診したくても、どの医療機関を受診すればいいのか迷ってしまうこともあります。

ご自身の体をきちんと診てもらうためには、体の症状に合わせた診療科の選び方をすることが大切です。

今回は「病院の診療科」の種類と診療内容について解説します。

目次

「病院の診療科」の種類と診療内容

病院は開設時に国に対していろいろな届出をするのですが、その中で「うちの病院はこの病気の種類の診療を行います」というものも届け出ています。

そして、その「うちの病院はこの病気の種類の診療を行います」と掲げたものが「診療科」になります。

この診療科にはたくさんの種類があり、その診療科を確認することで、その医療機関がどのようなことを専門に医療を行っているかの確認をすることができます。

ほとんどの医療機関で、1~5つ程度の診療科を掲げて専門的な診療を行っています。

診療科診療内容
内科風邪、高血圧、糖尿病などに対する内科診療を行います。予防接種や就職前の健康診断なども行います。
外科切り傷や刺し傷、縫合が必要なケガなどに対する外科診療を行います。手術なども行います。
整形外科打撲、肩痛、腰痛、膝痛、関節痛、骨折などに対する整形外科的診療を行います。「外科」なので手術も行います。
循環器科(循環器内科、循環器外科)心筋梗塞、大動脈瘤などの循環器(心臓、血管)領域に関する診療を行います。「外科」では手術も行います。
消化器科(消化器内科、消化器外科)胃痛、胸やけ、下痢などの消化器(胃、腸)領域に関する診療を行います。「外科」では手術も行います。
呼吸器科(呼吸器内科、呼吸器外科)喘息、肺などの呼吸器(気管、気管支、肺)領域に関する診療を行います。「外科」では手術も行います。
脳神経内科・外科脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血などの頭部領域に関する診療を行います。「外科」では手術も行います。
泌尿器科腎臓、尿管、膀胱、尿道に起きる病気などの泌尿器領域に関する診療を行います。透析治療(血液の毒素を抜く治療)が必要なときも泌尿器科で対応します。
婦人科子宮、卵管、女性性器などの婦人科領域に関する病気の診療を行います。
産婦人科妊娠検査、妊婦検診、分娩を行う産科と婦人科に関する診療を行います。
精神科心の病気や症状への診療を行います。精神科は「心」に出た症状を治療します。「身体」に出た症状を治療するのは心療内科です。
心療内科ストレスを原因として身体に症状が現れている患者の診療を行います。心療内科は「身体」に出た症状を治療します。「心」に出た症状を治療するのは精神科です。
形成外科火傷のあとや手術後のケロイドなど、体の表面や形をできるだけ正常に戻し、日常生活に戻れるようにすることを目的とする診療科です。
美容外科顔の整形や豊胸手術など、医学的には正常でも本人の希望に沿って手術を行う診療科です。
肛門科肛門周辺の病気、痔の診療を行います。
リウマチ科慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、結節性多発性動脈炎などの膠原病(こうげんびょう)を取り扱う診療科です。
アレルギー科喘息(ぜんそく)、アトピー性皮膚炎、花粉症、食べ物アレルギーなどのアレルギー疾患を取り扱う診療科です。
麻酔科ペインクリニックなどを掲げている場合もあり、身体の痛み麻酔によって治療します。
放射線科レントゲン画像の読影や放射線治療を行う際の線量の治療計画を行います。
リハビリテーション科神経や筋、骨格系の異常を原因とした運動機能障害者を対象として、医学的な治療や治療的訓練を実施する診療科です。整形外科や脳神経外科などと一緒になっていることが多いです。
皮膚科皮膚に関する病気の診療を行います。
小児科風邪、インフルエンザ、おたふくかぜ、水ぼうそうなどの小児(新生児から15歳程度)の病気を診療します。
眼科白内障、緑内障などの眼に起こる病気の診療を行います。レーシックなどの視力矯正手術も行います。
耳鼻咽喉科中耳炎、蓄膿などの耳、鼻、のどに起こる病気の診療を行います。睡眠時無呼吸症候群などの治療も行います。
歯科・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科虫歯の治療、知覚過敏、親知らず抜去などの歯に関することへの診療を行います。歯並びの矯正、インプラント治療なども行います。

症状による診療科選びの具体例

たくさんの診療科の診療内容を把握できても、症状によってどの診療科を受診すればよいのかは分かりづらいです。

そこで、よく耳にする症状と受診する診療科を組み合わせてみました。

あくまでも具体例なので、参考としてご参照ください。

症 状選ぶ診療科
風邪、発熱、頭痛、腹痛などのよくある風邪病状内科
ねんざ、打撲、骨折など骨や関節の症状整形外科
アレルギー、湿疹など皮膚の症状皮膚科
ものもらい、ドライアイ、白内障眼科
鼻炎、のどの痛みなどの風邪症状耳鼻咽喉科
歯痛、知覚過敏など歯科
切れ痔、いぼ痔など肛門科
尿漏れ、残尿感、性病など泌尿器科
女性の性器、子宮、卵管婦人科
妊娠産婦人科

鼻、のどの痛みなどの風邪症状は、内科ではなく耳鼻咽喉科でも対応してくれます。

必要があるときには専門病院を紹介してくれる

診療科には「呼吸器科・循環器科・消化器科」などがありますが、症状がたくさんあり、どこの診療科を受診すればよいのか分からないときもあります。

そのようなときには、ひとまず「内科」を受診し、必要ならば「呼吸器科・循環器科・消化器科」などの専門病院を紹介してもらうことをおすすめします。

受診した内科の医師も、気になる症状があるときには専門の診療科を受診するように勧めてくると思います。

もし専門的な病院を勧められたときには、きちんと精密な検査を受けるようにしましょう。

「病院の診療科」に関するQ&A

「病院の診療科」に関するよくある質問を一部まとめてみました。

内科と外科の違い

内科と外科の違いは、大きな縫合や手術を行うかどうかです。

内科でも簡単な縫合を行うこともありますが、手術を行うのは外科になります。

循環器科、消化器科、呼吸器科などの診療科には、内科と外科がありますが、「内科で病状の経過を診ながら、手術を必要とするときには外科で手術を行い、手術後は内科でまた経過を診る」というながれに基本的にはなります。

このように、患者の状態によって診療科を移動することは普通のことです。

他にも例を挙げると、脳卒中における脳出血やクモ膜下出血において、自宅や職場で倒れて救急車で脳神経外科に運ばれ、手術後に脳神経内科やリハビリテーション科においてリハビリを開始するなどのケースがあります。

脳卒中患者の例
  1. 脳出血やクモ膜下出血で倒れて救急搬送
  2. 脳神経外科のある病院で手術
  3. 術後、安定したので脳神経内科 or リハビリテーション科のある病院へ転院し加療

各病院が連携を取り合い、患者の診療を進めていきます。

放射線科・リハビリテーション科はメインではない

放射線科やリハビリテーション科については、メインの診療科として掲げるのではなく、メインの診療科に対しての補助として掲げられていることが多いです。

放射線科放射線科専門医がいて画像を詳しく読影している医療機関
リハビリテーション科リハビリテーションも行っている医療機関
放射線科医は読影のスペシャリスト

放射線科医はレントゲン画像の読影を主の業務としています。そのため、大きな病院でないと勤務していないことがほとんどです。小さな病院においては遠隔読影を依頼し、画像診断をしているケースもあります。ただ、その場合には診察結果は後日になります。

整形外科はケガに対しての専門医療機関

整形外科には、打撲、打ち身、切り傷、擦り傷などのちょっとしたケガから骨折などの重傷までさまざまな症状の患者が受診します。

そのため、風邪などで受診する「内科」に次いで、多くの方一度は受診したことのある診療科になります。

骨折やヘルニアの手術の後にはリハビリを行うので、リハビリテーション科も掲げられていることが多いです。

骨折患者の例
  1. 高齢者が自宅で倒れて整形外科に救急搬送
  2. 右股関節頚部骨折を確認、手術
  3. 手術後、リハビリテーション開始

美容外科では保険証はほぼ使えない

美容外科では、顔の整形や豊胸手術など、医学的には正常でも本人の希望に沿って手術を行う診療科です。

医療的に必要性があるわけではないので、健康保険証は使うことができず、全額自己負担になります。

美容整形の種類
  • 二重手術
  • 目元のクマ・たるみ取り
  • 鼻の整形
  • 顔のたるみ、リフトアップ
  • 医療脱毛
  • 豊胸

どの病院を受診する?「病院の診療科」の種類と診療内容を分かりやすく解説|まとめ

今回は「病院の診療科」の種類と診療内容について解説しました。

病院の診療科ごとの診療内容を知ることで、その病院がどのような病状を専門に診療を行っているのかを把握することができ、ご自身がどの病院を受診すればよいのかも把握することができます。

どこの病院でもいいやと適当に病院を受診するのではなく、病状に合わせた医療機関を受診するようにしましょう。

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