「仕事」と「作業」の違いとは？｜人材育成には「作業」ではなく「仕事」が重要な理由について

部下を持つと業務を任せる機会も増えていきます。

任せた業務を部下が終わらせるとその業務についての報告を受ける必要がありますが、その報告内容に物足りなさを感じることもあります。

そのような場合の理由には、部下が与えられた業務を「仕事」ではなく「作業」として取り組んだ可能性があります。

今回は、仕事と作業の違いについてを考え、部下に仕事をしてもらうために必要なことをまとめていきます。

仕事と作業の違い

部下はリーダーから与えられた業務を遂行していきますが、その業務への取り組み方によって”結果”に違いがでます。

結果に違いが出る原因は、部下が与えた業務を「作業として行ったのか」または「仕事として行ったのか」という部分にあります。

では、この「作業として行う業務」と「仕事として行う業務」にはどのような違いがあるのでしょうか？

作業として行う業務とは？

作業とは”リーダーに任された業務を言われたことだけ行うこと”です。

作業として業務を行っていると、100点はあっても120点の結果報告はありません。

また、業務についての指示出しについては100％の形で伝わるということはなかなかありえないので、ほとんどの場合が60点～80点の結果報告としてリーダーのもとに返ってきます。

つまり、作業として業務を行っている部下の業務報告は常にもの足りない内容になってしまいます。

業務を”作業”として行っている部下は、その業務に対しての応用力が身に付きません。その結果、何か突発的なことが起きた場合に対応ができなくなってしまいます。

仕事として行う業務とは？

仕事とは”リーダーから任された業務の中で、その業務以外のことにも取り組み、指示されたもの以上の何かを生み出すこと”です。

リーダーが部下に与える業務は、部下を育てるために与える業務でもあります。

そのため、部下は与えられた業務に対して考えながら取り組むことで大きな成長を遂げることができます。

また、考えながら仕事を行うことで、途中の段階でリーダーに対して相談するなどの行動も起こします。

結果、業務報告では求めた以上の結果を残すこともあります。

社会生活の中では自主的に何かに取り組むことが重要です。その取り組みの中で進歩や成長を遂げることができます。”仕事”をしていると業務に対しての応用力も身に着くので、突発的なことが起きても対応することができます。

仕事をする部下の「目的意識」

自らの進歩や成長を望んでいる部下は目標や目的意識を持って行動し、そして自主性を持って業務に取り組んでいます。

そのため、与えられた業務から作成されたものが、その後、何に使われるものなのか、どのようなものを作り上げれば利用価値の高いものになるのかなど、先を見る考え方で業務を遂行します。

もしその仕事が嫌でやる気がでなかったとしても、与えられた業務が未来の新しい自分につながっていると考えることができます。

逆に、言われたことだけを行う「作業」を行っている部下は、考えた仕事をしていないので作業としての経験値は得ますが、それ以上の成長は見られません。

また、考えて仕事を行っていないので突発的なことに対応できず、自主的に行動できない職員に育ってしまいます。

部下に”仕事”をしてもらうためには？

リーダーは部下が”作業”ではなく、”仕事”を行うように導いていかなければいけません。

そのためには、指示を与えて業務を行わせるだけでなく、自分で考えさせながら業務を行わせることが大切です。

業務を丸投げするのではなくヒントを与えつつ誘導してあげることが重要ということです。

業務のゴールを設定し、そこに向かうためにどうしたらよいかを考えさせ、ときにヒントを与え、ときに誘導しながら部下を導く。

ある程度の脱線を容認しながら、最終的にゴールにたどり着くことが大切です。

そうすることで、部下は仕事を覚え、考える癖を身につけることができます。

リーダーは部下の行動を決めつけるのではなく、誘導することが重要です。決めつけてさせるだけでは結局”作業”になってしまうからです。部下の成長と共に、リーダーとしてのスキルも向上します。

部下が育つためには”仕事”をしてもらうことが重要な理由｜まとめ

「仕事として行う業務」と「作業として行う業務」ではその結果は大きく異なります。

部下の成長を促すためにも”目的意識”を持たせ、考えながら仕事を行わせることがリーダーの重要な役目になります。