スポンジのようにすかすかな食材の「高野豆腐」。
すかすかなのに豆腐というのも不思議ですが、なんだか謎の多い食材です。
そんな高野豆腐の栄養素やダイエット効果などについて紹介していきます。
高野豆腐はなぜスポンジみたいなのか?
高野豆腐は、豆腐をしっかりと水切りして凍らせて、氷点下のまま数週間熟成したあと、解凍して水分を除いて乾燥させた食品です。
この高野豆腐がなぜこんなにもスポンジみたいなのかは、豆腐のつくり方にヒントがあります。
豆腐のつくり方
豆腐は温めた豆乳に「にがり」などの凝固剤を加えて固めたものです。
豆乳ににがりなどの凝固剤が加わると、凝固剤の成分(マグネシウムなど)がバラバラに浮遊している大豆のタンパク質をつなげます。
これによって流動性がなくなり豆腐として固まります。
高野豆腐がスポンジみたいな理由
にがりなどの凝固剤でつなげられたタンパク質は、網目のように隙間があります。
そして、豆腐はその隙間に水が入り込んでいる状態なので、もろく崩れやすい性質になってしまいます。
高野豆腐はこの豆腐から水分を除いてつくられたものです。
そのため、凝固剤でつなげられたタンパク質が残っており、それがスポンジのような状態になっています。
温めた豆乳に、にがりなどの凝固剤を加える
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バラバラに浮遊している大豆のタンパク質がつながる
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「豆腐」ができる
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豆腐を凍らせて水分を除いて乾燥
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「高野豆腐」ができる
木綿豆腐と絹ごし豆腐を比べると木綿豆腐の方が崩れにくいですが、つくり方に違いがあるからです。
木綿豆腐は、豆乳ににがりを加えて固めたものを一度崩してから、木綿布を敷いて圧力をかけて押し固めてつくります。
一方、絹ごし豆腐は、豆乳ににがりを加えて、そのまま固めてつくります。
高野豆腐、木綿豆腐、絹ごし豆腐はつくる過程が異なるだけです。
高野豆腐の栄養素とメリット・デメリット
高野豆腐は、高タンパク質、低炭水化物でダイエットに向いている食品です。
しかし、水煮した高野豆腐の100gあたりのカロリーは115kcalと、決してカロリーの低い食品ではありません。
そのため、食べすぎは太る原因になります。
また、ビタミンが少ない欠点があり、ダイエットに向いているからという理由で高野豆腐ばかり食べていると、摂取ビタミンが偏る可能性があります。
- 低炭水化物
- 高タンパク質
- ダイエットに向いている
- 100gあたり115kcalとカロリーは高い
- ビタミンが少ない
高野豆腐のダイエット効果は?
高野豆腐だけでダイエットをすることはおすすめしませんが、高野豆腐に含まれる成分をいかして食事をすればダイエット効果を期待することができます。
体脂肪を減らす
高野豆腐の半分は植物性たんぱく質で、そのうちの3割は「レジスタントタンパク質」という成分でできています。
このレジスタントタンパク質は、食べた物に含まれる脂質や油を小腸でキャッチし、包み込むようにして体外へと運び出す働きがあるので、血液中の悪玉コレステロールを減少させたり、食後の中性脂肪の上昇を抑制することを期待できます。
満足感が高い
高野豆腐は調理の過程で出汁をよくを吸って膨らむため、少量でも満足感を得ることができます。
そのため、食事量が減り、結果的にダイエットにつながる可能性があります。
また、弾力がありよく噛むので咀嚼回数が増え満腹感を得られやすいので、食べ過ぎ予防にもなります。
食後の高血糖予防になる
高野豆腐はご飯やパンに比べて糖質が非常に少なく、食後の高血糖を防ぐことが可能です。
糖質を多く含む食事は、血糖値が高くなりやすく肥満の原因になるので、高野豆腐に置き換えるだけでもダイエットになります。
抗酸化作用がある
高野豆腐には、「サポニン」という高い抗酸化作用で血中脂質の酸化を防ぐ成分が含まれています。
また、サポニンには余分な脂肪や糖質の吸収スピードを遅らせる働きもあるので、血液中の脂質を減らして動脈硬化や肥満を防ぐと期待を持てます。
さらに、「レシチン」という物質も含まれていて、肝臓の機能を高めて脂肪肝を予防してくれる働きもあります。
「高野豆腐」がスポンジみたいなのはなぜ?栄養素・ダイエット効果などを合わせて紹介します|まとめ
今回は、高野豆腐の栄養素やダイエット効果などについてまとめました。
高野豆腐の栄養素や効果を考えると、ダイエットをされる方には必須食材のような気がします。
スポンジのような食感が嫌いな方も多いですが、小さくカットされた高野豆腐もあるので料理にうまく取り入れていきましょう。