難聴は認知症を引き起こす!?難聴を予防する対策方法【きょうの健康】豊かな人生の処方箋

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2021年、WHO(世界保健機構)から驚きの報告書が提出されました。

その内容は、30年後には4人に1人は難聴の症状を訴える時代がやってくるというものです。

さらに、近年の研究で難聴が認知症のリスク因子になるといったことも明らかになってきました。

今回は、難聴を予防する対策方法についてご紹介します。

目次

難聴が認知症を引き起こす2つの要因

難聴が認知症のリスクを高める可能性があり、英医療誌ランセットにおいても「予防可能な認知症の最大因子は難聴」と言われています。

その中で、難聴を放置した場合の認知症リスクは、軽度の状態で1.8倍、中等度で3.0倍、重度で4.9倍とされています。

難聴を放置した場合の認知症のリスク
  • 軽度 :1.8倍
  • 中等度:3.0倍
  • 重度 :4.9倍

そのようなリスクが高まる要因はいくつか挙げられています。

① 脳の活動低下

普通に聞こえる方であれば、脳は常にさまざまな音の情報を処理していますが、難聴の方では音の情報が減少し脳活動が低下し、認知症に繋がると考えられています。

脳機能の検査においても、難聴の方は側頭葉の活動が低下するだけではなく、前頭葉の活動も共に低下している状態であることが確認されています。

  • 側頭葉:脳において言葉を音声として処理する場所
  • 前頭葉:脳において言葉を言語として処理する場所

言葉は前頭葉と側頭葉が連携して理解されています。

② コミュニケーションの機会が減少する

難聴になると相手の言うことを聞き取れない上に、何度も聞き返してしまうので、会話がうまくいきません。

そうすると、コミュニケーションをすること自体が嫌になってしまい、それによって認知機能の低下に繋がってしまいます。

また、難聴は高齢者の引きこもりの原因のひとつにもなっています。

難聴で高まるリスク
  • 認知症
  • うつ
  • フレイル

難聴を予防するのための対策

難聴は悪化しないように対策を行うことが重要です。

① 生活習慣の改善で難聴予防

加齢性難聴は、音を感知する細胞である有毛細胞の劣化が主な原因になります。

有毛細胞の劣化・損傷は、「加齢、大きな音、血液循環の悪化」などによって引き起こされ、損傷した有毛細胞は二度と回復しません。

有毛細胞は音を電気信号に変換するために大量のエネルギーを消費しているため、血液循環に悪い生活習慣をすると有毛細胞は劣化してしまいます。

難聴になるリスク
  • 喫煙者:1.3倍
  • 糖尿病:1.5倍

ウォーキングなどの適度な運動習慣

ウォーキングなどの適度な運動習慣がある方は、難聴になりにくいというデータもあります。

そのため、難聴の方は週に1~2回の体がポカポカする程度の運動がおすすめです。

イヤホンの使い方を考える

イヤホンを使う際には適切に使用しないと有毛細胞の損傷に繋がってしまいます。

イヤホンを使う際には音量や時間に注意して使うことが大切です。

  • 音量:話し声程度の大きさにする
  • 使用時間:60分を基準として休憩をする
  • ノイズキャンセル機能のついたイヤホンを使用する

過労や睡眠不足をなくす

過労や睡眠不足は、耳の血流不全を引き起こし、神経の不調によって難聴になるリスクが高まります。

また、過労や睡眠不足がなくても過度のストレスによって難聴を引き起こしてしまうこともあるので注意が必要です。

過労やストレスなどで突然発症する難聴を「急性難聴」と言います。

② 補聴器を積極的に使用する

補聴器はどうしても高齢者のものというイメージがあり、また、補正した音に慣れるまでに時間がかかり、拒否反応が出る方もいます。

それらのことを理由に、難聴者における補聴器使用率は日本においては13.5%と他国に比べてかなり低い数値になっています。

補聴器を適切に使用することで、認知症のリスクを下げるだけではなく、日常生活のリスクも下げることに繋がるので積極的に使用していくことが大切です。

補聴器の選び方
  1. 自分に合ったものを作る
  2. 軽度の難聴でも使用する

耳が聞こえにくいと感じたときには、まずは耳鼻科医に相談することが大切です。

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難聴の対策方法|まとめ

今回は、難聴に対する備えについてご紹介しました。

補聴器は高齢者じゃないとつけてはいけないものではなく、目が悪くて眼鏡やコンタクトをする感覚でつけても構わないものです。

耳が聞こえないこと我慢するのではなく、より良い道具を使って過ごしやすい生活環境を整えましょう。

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