発酵食品は長く熟成させることでおいしさが増していきますが、場合によっては発酵しすぎると味が損なわれることもあります。
そのため、食べごろの味噌であれば発酵スピードを抑えるために「冷凍保存」をすることがおすすめです。
味噌の時間による変化
「味噌」は、時間の経過や温度の影響によって、色や味が変化していきます。
この変化は、味噌の原料であるお米が分解された「糖」と、大豆が分解されてできる「タンパク質」「アミノ酸」が反応して起こるもので、未開封の状態で保管していても起こります。
時間の経過
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「糖」と「タンパク質」「アミノ酸」が反応
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味噌の色と味が変化
味噌の色が濃くなる現象のことを「着色」または「褐変(かっぺん)」と言います。
色が変わっても「味噌」は食べられる?
時間が経過して味噌の色が濃くなる褐変(かっぺん)は、夏場など高温多湿な時期に生じやすい現象です。
色が濃くなった味噌を食べても健康を害することはありませんが、風味に影響を及ぼします。
賞味期限内に褐変が起きてしまい、味噌汁がおいしくなくなってしまった場合には、味噌炒めや漬物用の味噌として使いましょう。
味噌に褐変が起こらないように保管をしましょう。
味噌を長持ちさせるポイントは?
味噌は発酵食品であるため、時間が経過し、発酵が進んでしまうと「色」や「味」が変化してしまいます。
それを防ぐために2つのポイントを守って味噌を保管しましょう。
① ラップで覆って酸化を防ぐ
味噌は開封する酸化が進んでしまいます。
空気に触れている箇所の「乾き」と「酸化」を防止するために、ラップでぴったりと覆って、空気に触れないようにしましょう。
② 冷蔵庫、または冷凍庫で保管する
味噌を常温で保管すると、微生物によって発酵が進んでしまいます。
発酵食品は長く熟成することによっておいしさが増すものもありますが、発酵しすぎておいしさが損なわれてしまうこともあります。
市販の味噌は食べごろに合わせて販売されているので、発酵スピードを抑えるために冷蔵庫や冷凍庫で保管することがおすすめです。
味噌は発酵スピードを抑えるために冷蔵庫や冷凍庫で保管することがおすすめです。
一般家庭用の冷凍庫では味噌は凍らず、品質を保つことができます。
- 冷蔵庫(5~8℃)
- 冷凍庫(-20℃)
味噌が冷凍庫で凍らない理由
食品の中にある水分は、大きく「自由水」と「結合水」に分けられ、それぞれの特徴は下のようになります。
「自由水」は普通の水と同じ性質を持ち、0℃で凍結して100℃で沸騰する上、微生物に利用されやすい特徴を持ちます。
それに比べて、「結合水」は食品中の炭水化物やタンパク質などの他の成分と結合しているため自由に動き回れない水であり、0℃で凍結したり100℃で沸騰したりしない上、微生物にも利用されにくい特徴を持ちます。
自由水 | 結合水 |
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・普通の水と同じ性質 ・0℃で凍結して100℃で沸騰する ・微生物に利用されやすい | ・食品中の炭水化物やタンパク質などの他の成分と結合しているため、自由に動き回れない水 ・0℃で凍結したり、100℃で沸騰したりしない ・微生物に利用されにくい |
食品は、自由水が多いほど微生物に利用されやすく、腐敗や発酵をしやすくなります。
味噌は「自由水」と「結合水」の両方を含めた食品であるため、冷凍庫に入れてもすぐには凍りません。
味噌を使いきるか心配な方は?
家族が多ければ味噌汁を作っても余らないし、味噌も定期的に使い切るので問題ありません。
でも、一人暮らしだと味噌を正しく保管していても使い切るのが大変で、いつのまにか冷凍庫や冷凍庫に寝かしてままになってしまうことも…。
そのような方の中には、お湯を入れるだけで作れる「即席みそ汁」や保管が楽ちんな「液みそ」を使うことがおすすめです。
お湯だけで簡単「即席みそ汁」
「即席みそ汁」はお椀に入れてお湯を注ぐだけで簡単に味噌汁を作ることができる優れものです。
普通に作った味噌汁よりも味が劣ってしまうことが難点ですが、一人暮らしなどでは普通に作っても量が多くなりすぎてしまうので、使い勝手が良いのが特徴です。
複数の種類を購入して、毎日異なる味を楽しむことがおすすめです。
一人暮らしにちょうどいい量「液みそ」
「液みそ」は注ぐだけで使える味噌で、通常の味噌よりも量の調節がしやすく非常に便利な味噌です。
即席みそ汁だと味が物足りない方におすすめの味噌で、複数の種類を準備しておくことで、毎日違った味噌汁を楽しむことができます。
「味噌」は冷蔵・冷凍保存がおすすめ!?おいしさをキープする正しい保存方法を解説します|まとめ
今回は、味噌の風味を落とさないための正しい保管方法を紹介しました。
一人暮らしの方は、どうしても味噌が余ってしまいがちなので、「即席みそ汁」や「液みそ」を使った味噌汁を食べるように工夫しましょう。