短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)とは?腸から健康になろう!!

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腸活のことを調べると出てくる「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」という言葉。

腸の健康にとってとても重要なものらしいです。

実際に「短鎖脂肪酸」がどのような働きをしているのかを今回まとめていこうと思います。

ちなみに、短鎖脂肪酸を調べることのきっかけになった「腸活」については別記事にまとめてありますので、興味のある方は参照頂ければと思います。

目次

短鎖脂肪酸とは?

短鎖脂肪酸とは、ヒトの大腸内で腸内細菌によって作られる酸(有機酸)の一種で、「酢酸・プロピオン酸・酪酸」などの種類があります。

ヒトの腸内には、約1000種類、100兆個もの腸内細菌が生息していますが、その中の善玉菌が食物繊維やオリゴ糖を代謝して短鎖脂肪酸を産生します。

短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)とは?腸から健康になろう!!
引用元:グリコ

短鎖脂肪酸の中でも、「酢酸」と「酪酸」は健康にとって様々な良い働きをすることが近年報告されています。

短鎖脂肪酸で注目される「酢酸」と「酪酸」

短鎖脂肪酸で注目されているのは「酢酸」「酪酸」です。

この2つにはどのうようなはたらきがあるのかを説明します。

酢酸のはたらき

「酢酸」は、”白色脂肪細胞”という体内の余分な脂肪を蓄えている細胞で作用します。

白色脂肪細胞は、血液によって運ばれてきた「酢酸」を感知すると、脂肪細胞に過剰なエネルギーが取り込まれるのをブロックし、脂肪の蓄積を抑制します。

その他にも、大腸の運動を刺激する作用バリア機能を強固にする作用炎症を抑える作用も報告されています。

酢酸のはたらき
  • 脂肪の蓄積を抑制
  • 大腸の運動を刺激する作用
  • バリア機能を強固にする作用
  • 炎症を抑える作用

酪酸のはたらき

「酪酸」は、交感神経(活動している時に働く自律神経)に作用します。

交感神経のセンサーが血中の酪酸を感知すると、心拍数や体温を上昇させて、エネルギー消費を高めます。

酪酸のはたらき

心拍数や体温を上昇させエネルギー消費を高める

短鎖脂肪酸のはたらき

短鎖脂肪酸のはたらきは、前述した「酢酸」と「酪酸」のはたらきを合わせたものになり、具体的に4つのはたらきにまとめることができます。

① 体脂肪を低減する

腸内で作られた短鎖脂肪酸は、体内に吸収されると血流に乗って全身をめぐります。

そして、脂肪細胞に到達すると脂肪組織に栄養が取り込まれるのを防ぐはたらきをします。

そのはたらきによって、脂肪の蓄積は抑えられ体脂肪を減らすことができます。

② 基礎代謝を向上する

短鎖脂肪酸は、血流にのって全身に広がり、体温・血流・呼吸などをコントロールする神経が集まった交感神経節に到達します。

そこで、交感神経を活性化し、脳や心臓に指令が出されることで心拍数や体温の上昇を促します。

そうすることで、基礎代謝は高められ脂肪を消費しやすくします。

③ 悪玉菌を抑える

腸内では常に「善玉菌」と「悪玉菌」が勢力争いをしています。

短鎖脂肪酸は、腸内を適度な酸性に保ち善玉菌を補助すると共に、悪玉菌を倒すはたらきをします。

とくに、短鎖脂肪酸のなかのひとつである酢酸は、悪玉菌を退治する殺菌作用や増殖を抑える静菌作用があります。

④ ウイルスや病原菌から体を守る

ヒトの腸内は、食事とともに取り込まれるウイルスや病原菌による感染や、炎症のリスクにいつもさらされています。

しかし、腸の粘膜でバリアを張っているので、簡単に感染などを起こすことはありません。

短鎖脂肪酸の中でも、酪酸やプロピオン酸には元気な腸粘膜を維持して、腸のバリア機能を高める働きがあります。

短鎖脂肪酸を増やすには?

ヒトの健康に重要なはたらきをしている短鎖脂肪酸を、健康のためにしっかり増やしていきたいものです。

でも、どのようにすれば短鎖脂肪酸を体内で増やすことができるのでしょうか?

このことは、先ほどの図でも分かるように、体内に短鎖脂肪酸を産生する善玉菌を多く取り込み、同じように短鎖脂肪酸を産生するときのエサになる食物繊維も多く取り込むことで可能になります。

つまり、短鎖脂肪酸を産生するビフィズス菌などの善玉菌が含まれる食品を食べたり、産生するときのエサになる食物繊維を摂取することが大切で、とくに水溶性食物繊維を摂取することが有効です。

短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)とは?腸から健康になろう!!

① 善玉菌を摂る

短鎖脂肪酸は善玉菌などの腸内細菌によって産生されます。

そのため、まず腸内に善玉菌を増やすことが大切です。

どくにビフィズス菌は先ほど説明した「酢酸」と「酪酸」を作るので重要になります。

② 善玉菌のエサとなるものを摂る

食物繊維は「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類に分けられます。

どちらも腸内環境を整える働きがありますが、善玉菌が特に好むのが水溶性食物繊維です。

根菜類、きのこ類、海藻類などを普段の食事で摂取することがおすすめです。

また、穀類やイモ類は冷えると「レジスタントスターチ」を作りますが、このレジスタントスターチには水溶性食物繊維・不溶性食物繊維どちらの働きも持っています。

そのため、冷やご飯などを食べることもおすすめです。

短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)とは?腸から健康になろう!!|まとめ

短鎖脂肪酸には、体脂肪の低減や基礎代謝の向上だけでなく、悪玉菌を抑え、ウイルスや病原菌から体を守る作用があります。

短鎖脂肪酸の増やし方は食事を工夫することで行うことができ、また、食事を工夫することが困難な方はサプリメントでも行うことができます。

少しずつ習慣化し、腸から健康になりましょう。

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