全国で3,000万人が悩んでいると言われる「腰痛」。
激しい痛みだけでなく、腰や足がしびれたり力が入らないなどの症状を伴うこともあります。
今回は、腰痛の中でもお尻や脚に嫌なしびれと痛みをもたらす「座骨神経痛」と腰痛タイプに合わせたエクササイズについてまとめていきます。
座骨神経痛は、脊髄からお尻を通って足まで繋がっている座骨神経、その神経が腰の中で圧迫されて、その痛みやしびれが脚に出ている状態のことを言います。
手術が必要な場合もありますが、手術がいらない場合には自分の症状に合わせた運動を行うことで、痛みやしびれが改善することもあります。
腰痛を起こす4つの原因
腰痛は下に挙げた4つの原因のいずれかによって発症します。
それぞれに対処方法が異なるのでどのような原因で腰痛になっているのかを知ることが大切です。
① 脊柱起立筋が傷むことによる腰痛
脊柱起立筋は、ヒトの背中にあり背骨を支えている筋肉です。
日々の生活の中で負担が積み重なることによって、脊柱起立筋が傷つき炎症を起こし痛みに繋がることがあります。
ぎっくり腰で一番多いのは筋肉性のもので、脊柱起立筋が痛んでしまったか、あるいは脊柱起立筋が腰骨に付着している部分で炎症を起こしているかのものです。
② 椎間板ヘルニアによる腰痛
腰痛は、背骨を形作る椎骨と椎骨の間にあってクッションの役目を果たしている「椎間板」に問題が起こり発症することもあります。
椎間板ヘルニアは、椎間板が過度の負担に耐えきれずに飛び出してしまい、神経を圧迫してしまう病気です。
③ 脊柱管狭窄症による腰痛
椎骨と椎骨とのつなぎである「椎間関節」、この関節が変形して脊椎の中を通る神経の通り道が狭くなってしまい、神経を圧迫して痛みを生じるのが「脊柱管狭窄症」です。
椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症の2つは、神経が圧迫されることによって足にしびれが生じることが特徴です。
④ 仙腸関節の炎症による腰痛
出産を経験した女性に多いのが、骨盤を形成する骨である仙骨と腸骨の間にある「仙腸関節」に負荷がかかって炎症を起こすものです。
自分の腰痛のタイプを探る
前述した椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症については、病院においてCT検査やMRI検査を行い診断を行います。
ですが、実際に診断されるのは2割程度の患者のみで、残りの8割はその他の原因の腰痛として診断されます。
そのような場合には、自分の腰痛のタイプを知り、それに合わせたエクササイズで腰痛を改善していくことがおすすめです。
疼痛誘発テスト
疼痛誘発テストは、どのような姿勢で痛みが出るかを調べて、腰痛のタイプを推測するテストです。
前屈をすることによって腰痛を誘発します。
前屈すると椎間板に負担がかかります。
そのため、この体勢で痛むのは「椎間板タイプ」であり、椎間板ヘルニアなどの恐れがあります。
このタイプの人は、座っていると痛みやしびれが強くなる人もいます。
後屈すると脊柱管が狭くなるのに加え、椎間関節に負担がかかります。
そのため、この体勢で痛むのは「椎間関節タイプ」であり、脊柱管狭窄症などの恐れがあります。
このタイプでは、体を反らせてまま左右にひねると、さらに痛みが出る場合があります。
「仙腸関節タイプ」「筋肉タイプ」の腰痛では、前屈・後屈のどちらにおいても痛みやしびれが出ることがあるので、他のテストもして見極めていく必要があります。(以下参照)
圧痛テスト
圧痛テストは、押して痛みが出る場所で腰痛のタイプを推測します。
背骨(腰骨)の真ん中にある骨を上から順に押していきます。
椎間板タイプ、椎間関節タイプだと押すことによって痛みが出ます。
背骨(腰骨)から指2本分ぐらい外側を順に押していきます。
押されて気持ちがいいなら問題ないが、痛みが出るならその筋肉になんらかの損傷があるということになります。
ここで痛みが出る方は「ぎっくり腰」に多いタイプです。
お尻の上側(腰骨のあたり)を押していきいます。
押されて痛いようなら「仙腸関節タイプ」になります。
ここの痛みはとくに女性に多く、生理中や出産直後からの腰痛などがあります。
腰痛のタイプにあったエクササイズ
腰痛のタイプが分かったときには、タイプ別のエクササイズをしていきましょう。
椎間板タイプに合ったエクササイズ
椎間板タイプに合ったエクササイズは、「ハンドニー」というエクササイズになります。
このエクササイズは背骨を支える小さな筋肉「多裂筋」に作用するエクササイズです。
多裂筋はインナーマッスルなので、この筋肉を安定させることで背骨を安定させ、椎間板への負担を減らすことを期待できます。
エクササイズ:ハンドニー
多裂筋を鍛えるエクササイズです。
- 四つん這いになります。
- へそを引き込むように、お腹に軽く力を入れます。
- 息を吐きながら、片脚を床と並行に上げます。
- 骨盤が左右に傾かないように注意します。
- この姿勢を20秒間キープ
- 逆脚でも同じように行います。
- これを2回繰り返して1セット、1日2セット行います。
骨盤がぶれないように行うとより効果的です。
椎間関節タイプに合ったエクササイズ
後屈すると痛みが出る「椎間関節タイプ」に合ったエクササイズです。
エクササイズ:四つん這い正座
- 四つん這いになります。
- へそを引き込むように、お腹に軽く力を入れます。
- 息を吸いながら背中を丸めます。
- おへそをのぞき込むような感じで、徐々にお尻をかかとにゆっくり近づけていきます。
- このとき背中は丸めたままお尻は下げていきます。
- 背中が丸まっているときに脊柱管はひろがっています。
- 10秒間姿勢をキープ
- お腹に力を入れたまま四つん這いの姿勢に戻ります。
- これを2回繰り返して1セット、1日2セット行います。
お腹に力を入れた状態で行うと効果的です。
エクササイズ:太ももの前の筋肉のストレッチ
太ももの前には大腿四頭筋という筋肉があるが、この筋肉が緊張すると骨盤を前に引っ張り、腰が反ってしまいます。
そのため、このエクササイズをすることで大腿四頭筋を伸ばして、腰が反る癖を直して、痛みやしびれを和らげる効果があります。
- 立った状態で何かにつかまって行います。
- 片方の足の先を後ろから手で引っ張ります。
- 膝頭はもう片方の膝に合わせておきます。
- できる限り腰が反らないようにします。
- 10秒間伸ばした後、足をかえます。
脊柱管狭窄症の方は、脚の痛みやしびれが出るため長い距離を歩けない症状の人が多いので、そのようなときにこのストレッチを行うと効果的です。
腰痛対策アイテム
腰痛対策には常日頃からのエクササイズに加え、きちんと疲れている筋肉をケアすることも大切です。
腰痛対策に向けてもアイテムをご紹介します。
消炎鎮痛「ロキプフェンテープ」
温熱 腰ケアベルト
デスクワーク用腰枕
車の腰痛予防クッション
医療機器認証 マッサージガン
エクササイズと腰痛対策アイテムを活用して腰痛予防を行って行きましょう。
座骨神経痛とは?自分の腰痛タイプに合わせたエクササイズ|まとめ
今回は、座骨神経痛や腰痛タイプ合わせたエクササイズについてまとめました。
腰を原因とした痛みやしびれは本当に辛いものです。
ご自身の腰痛のタイプを知って普段からしっかり予防していきましょう。