売られている土地には様々な法規制がかかっています。
そのため、土地探しをするときには、その土地にどのような規制がかかっているのかを確認することがとても大切です。
今回は、土地探しをするときに覚えておきたい「用途地域」についてまとめていきます。
用途地域とは?
用途地域は、その土地に建てることができる建物の種類を定めたものです。
地域ごとに建物の種別を振り分けることで、その地域に住む人々が住みやすい街づくりをすることを目的にしたものです。
仮に、A地域・B地域・C地域・D地域の4つの地域の用途を下の表のように取り決めたとします。
A地域 | 住宅地 |
B地域 | 学校・病院 |
C地域 | 工場 |
D地域 | スーパー・パチンコ屋・ホテル |
上記の用途地域の設定では、A地域に工場を建てたい企業があったとしても、行政の許可がおりることはなく、工場を建てることはできません。
仮に、用途地域が定まっていないとすると、住宅地・学校・病院の近くに工場を建てることも可能になってしまいます。
これでは、地域的に見て統一感がなく住みにくい街になってしまいます。
定められている3つの用途地域
用途地域には、「住居系・商業系・工業系」の3つのものがあります。
住居系用途地域は、人が住むための住環境が優先されている用途地域です。
- 第1種低層住居専用地域
- 第2種低層住居専用地域
- 第1種中高層住居専用地域
- 第2種中高層住居専用地域
- 第1種住居地域
- 第2種住居地域
- 準住居地域
- 田園住居地域
商業系用途地域は、買い物や娯楽などの環境が優先されている用途地域です。
- 近隣商業地域
- 商業地域
工業系用途地域は、工場の利便性が優先されている用途地域です。
- 準工業地域
- 工業地域
- 工業専用地域
住居系用途地域
用途地域 | 制限 | 建物の種類 |
---|---|---|
第1種低層住居専用地域 | ・高さ10~20mの制限 ・50㎡以下の店舗 | ・一戸建て ・低層マンション ・小中学校 |
第2種低層住居専用地域 | ・高さ10~20mの制限 ・150㎡以下の店舗 | ・コンビニ ・飲食店 |
第1種中高層住居専用地域 | ・高さ制限なし ・2階建て以内+500㎡以下の店舗 | ・教育施設 ・病院 ・神社 ・寺院 |
第2種中高層住居専用地域 | ・高さ制限なし ・2階建て以内+1,500㎡以下 | ・店舗 ・事務所 ・中規模の商業施設 |
第1種住居地域 | ・高さ制限なし ・3,000㎡以下 | ・店舗 ・事務所 ・ホテル |
第2種住居地域 | ・高さ制限なし ・10,000㎡以下の店舗など | ・ボーリング場 ・パチンコ ・カラオケ |
準住居地域 | ・高さ制限なし ・国道や幹線道路沿い ・150㎡以下の自動車修理工場 ・200㎡未満の映画館・劇場 | ・自動車修理工場 ・映画館 ・劇場 |
田園住居地域 | ・高さ制限なし ・農業と低層住宅の環境が整う | ・教育施設 ・病院 ・神社 ・寺院 |
商業系用途地域
用途地域 | 制限 | 建物の種類 |
---|---|---|
近隣商業地域 | ・店舗の床面積の制限なし ・150㎡以下の工場(危険がないもの) ・300㎡以下の自動車修理工場 | ・自動車修理工場 ・映画館 ・劇場 |
商業地域 | ・近隣商業地域よりもさらに緩和された地域 | ・銀行 ・百貨店 ・風俗施設 |
工業系用途地域
用途地域 | 制限 | 建物の種類 |
---|---|---|
準工業地域 | ・危険性や環境悪化が大きい工場を除くもの | ・住宅 ・ホテル ・病院 ・教育施設 |
工業地域 | ・ホテル、病院、教育施設は建てられない | ・すべての工場 ・住宅 ・店舗 |
工業専用地域 | ・工場のみ建てられる地域 | ・工場 |
用途地域で「建ぺい率・容積率」は異なる
用途地域によってその土地に建てることのできる建物の種類が定められています。
それと同じように建ぺい率と容積率も用途地域ごとにある程度の幅が定められています。
※建ぺい率・容積率が同じものについては文字色を同じ色にしています。
用途地域 | 建ぺい率(%) | 容積率(%) |
---|---|---|
第1種低層住居専用地域 | 30・40・50・60 | 50・60・80・100・150・200 |
第2種低層住居専用地域 | 30・40・50・60 | 50・60・80・100・150・200 |
第1種中高層住居専用地域 | 30・40・50・60 | 100・150・200・300・400・500 |
第2種中高層住居専用地域 | 30・40・50・60 | 100・150・200・300・400・500 |
第1種住居地域 | 50・60・80 | 100・150・200・300・400・500 |
第2種住居地域 | 50・60・80 | 100・150・200・300・400・500 |
準住居地域 | 50・60・80 | 100・150・200・300・400・500 |
容積率を確認することで、その地域にどの程度の大きさの建物が建つかを予測することができます。マイホームの周辺に大きな建物が建ってほしくない方は、低層住居専用地域の土地を探すことで理想の地域に暮らすことができます。土地探しの際には、ハウスメーカーにきちんとその土地の用途地域を確認することが大切です。
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「用途地域」で分かる地域の街並み|まとめ
今回は、土地の法規制にある「用途地域」についてまとめました。
土地探しをする際には、周辺地域の状況も確認し、その土地の用途地域を確認することが大切です。
それによって、建てた家の隣に高さのあるマンションが建築されたりしないかを予測することができます。
また、未来予測として周辺地域がどのように変化していくかも予測することも可能です。
用途地域を侮らないようにしましょう。