ZEH住宅とは？ZEH住宅に必要な3つの性能と判断基準

ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。

省エネや創エネを組み合わせることによって、家庭で使用するエネルギー量を”０”になるようにした住宅のことを言います。

現在、多くのお宅で太陽光発電システムが設置されていますが、これはZEH住宅を増やすように進めている国の政策によるものです。

今回はZEH住宅に必要な3つの性能と判断基準についてまとめていきます。

ZEH住宅とは？

ZEH住宅では、省エネや創エネを組み合わせることにより、家庭で使用するエネルギー量を”０”になるようにしています。

使うエネルギー ≦ （ 省エネ + 創エネ ）

ZEH住宅に必要な3つの性能

ZEH住宅では「使うエネルギー」よりも「創り出すエネルギー」を大きくすることが求めれます。

そして、それを達成するために「断熱性能・省エネ性能・創エネ性能」の３つの性能が優れている必要があります。

① 断熱性能

断熱性能とは、室温がどれだけ外の気温から影響を受けないかを表した性能です。

建物の「外皮平均熱貫流率（UA値）」として表され、各ハウスメーカーごとの断熱性能を比較する場合に用いられます。

外皮平均熱貫流率（UA値）は断熱性能が高くなるほど値が小さくなり、建物を構成する素材の熱伝導率に影響されます。

日本は四季によって一年を通じ寒暖差があるため、快適に過ごすため家の温度を一定に保つためには、冷暖房を使う必要があります。

このときの冷暖房のエネルギーを減らすことができるようにZEH住宅では高い断熱性能を備えています。

高い断熱性能を備えるほどZEH住宅として優れています。

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家の断熱性能を表す「外皮平均熱貫流率（UA値）」の求め方

② 省エネ性能

省エネ性能とは、どれだけ家で使用するエネルギー消費を抑えることができるかの性能を表したものです。

先ほど説明した断熱性能にも影響を受け、断熱性能が高ければ室温調整にかかるエネルギー消費は少なくなるので、その分「省エネ性能」も良くなります。

また、省エネ家電を多く使用することでエネルギー消費が抑えられるので省エネ性能はさらに良くなります。

家電の省エネ性能は購入時に分かりやすいようにラベルが以下のような貼られています。

③ 創エネ性能

創エネ性能とはエネルギーを創り出す性能を表しています。

家づくりにおいての創エネ設備は、太陽光発電システムやエネファーム（家庭用燃料電池）などがそれにあたります。

ZEH住宅の性能は、ハウスメーカーごとで異なります。しっかり比較を行い、ハウスメーカー選びをしましょう。

ZEH住宅の判断基準

ZEH住宅に必要な「断熱性能・省エネ性能・創エネ性能」を踏まえて、ZEHロードマップ検討委員会ではその判断基準を設けています。

① 強化外皮基準：UA値

強化外皮基準は、家全体の断熱性能を表す外皮平均熱貫流率（UA値）の値を定めた基準であり、全国8地域に分けられて設定されています。

地域区分	1	2	3	4	5	6	7	8
ZEH基準	0.4	0.4	0.5	0.6	0.6	0.6	0.6	ー

地域区分	都道府県
1	北海道
2	北海道・青森・岩手・秋田・福島・栃木・群馬・長野
3	北海道・青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・栃木・群馬・石川・山梨・長野・岐阜・奈良・広島
4	青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・東京都・新潟・石川・福井・山梨・長野・岐阜・愛知・兵庫・奈良・和歌山・鳥取・島根・岡山・広島・愛媛・高知
5	宮城・秋田・山形・福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京都・神奈川・新潟・富山・石川・福井・山梨・長野・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀・京都府・兵庫・奈良・和歌山・鳥取・島根・岡山・広島・山口・徳島・愛媛・高知・福岡・熊本・大分・宮崎
6	茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京都・神奈川・石川・福井・山梨・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀・京都府・大阪府・兵庫・奈良・和歌山・鳥取・島根・岡山・広島・山口・徳島・香川・愛媛・高知・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島
7	千葉・東京都・神奈川・静岡・愛知・三重・大阪府・和歌山・山口・徳島・愛媛・高知・福岡・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島
8	東京都・鹿児島・沖縄

② 一次エネルギー消費量の削減

石油・石炭・天然ガスなどの自然界から得られるエネルギー源のことを一次エネルギーと言います。

ZEH住宅の基準ではこの一次エネルギー消費量の削減が求められています。

一次エネルギー消費を、家の断熱性能に加えて省エネ性能の高い設備や家電を用いることによって、基準一次エネルギー消費量よりも20％以上削減することを定めています。

③ 再生可能エネルギーの導入

ZEH住宅における再生可能エネルギーの導入は、太陽光発電システムやエネファーム（家庭用燃料電池）などを導入することによって、再生可能エネルギーを作り出すことを求めたものです。

ZEHは、年間エネルギー消費量と創エネルギー量の差し引きをゼロ以下になることを目指しています。

この「差し引きゼロ」という意味合いは、エネルギー量での差し引きであり、発電による売電収入での光熱費ゼロという意味ではないことに注意が必要です。

ZEH住宅の性能は、ハウスメーカーごとで異なります。しっかり比較を行い、ハウスメーカー選びをしましょう。

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ZEH住宅とは？ZEH住宅に必要な3つの性能と判断基準｜まとめ

今回は、ZEH住宅に必要な3つの性能と判断基準についてまとめました。

国がZEH補助金などの政策を進めていることによって、多くのハウスメーカーもZEH住宅の建築を進めています。

ただ、ハウスメーカーごとでZEHの性能には異なる部分もありますので、どのような設備を取り入れたいのかを設計時によく検討した上で、ハウスメーカーを選ぶことが重要です。